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潮干狩り アサリ以外の貝をとってみよう! シオフキガイ(シオフキ貝)編 採り方から見分け方までお伝えします!

潮干狩り アサリ以外の貝をとってみよう! シオフキガイ(シオフキ貝)編 採り方から見分け方までお伝えします!

今年も潮干狩りのベストシーズンがやってきました!

新型コロナウイルスの規制も緩和してきて旅行や観光などもコロナ禍前迄には戻っていないものの、だいぶ人手が戻ってきている様です。ただ、完全にコロナは終息していませんので引き続き感染に注意して日常の生活を送りたいですね。
潮干狩り場も何とかオープンしているようですので、感染対策をしっかりとして待ちにまった潮干狩りへ出かけましょう!!

今回も潮干狩りのメインターゲットであるアサリ以外の貝を採る「アサリ以外の貝をとってみよう!」シリーズのシオフキガイを書きたいと思います。

 

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シオフキガイ

シオフキガイについてはどこの潮干狩り場にも大体いるので見たことが有る方も多いと思います。名前など気にすることもなく、食べられない貝としてポイっと投げていたあの貝です!

しかし、シオフキガイはとても美味しい貝です。
そんなシオフキガイの魅力と嫌われる理由、他の貝との見分け方、下ごしらえの方法等をお伝えしたいと思います。

 

1.シオフキガイ(潮吹き貝)とは

マルスダレガイ目バカガイ科のバカガイの仲間の貝です。
宮城県以南から朝鮮半島まで幅広く分布していて、内湾の潮間帯下部〜水深20メートルまでの浅い砂泥地に生息していて、大きい物で5㎝くらいになる貝です。

特徴

ふっくらと丸みのある形をしていて白っぽい物から茶色の物まで色々な色が見られる。色だけで識別することは難しい。殻も薄くアサリ等より割れやすい。

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シオフキガイ(正面)
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蝶番側      開口側
なぜ好かれない?

あまり好かれない理由は、棲んでいる場所にもよりますが、あまりきれいに見えない物が多く、また貝殻の口の所にヒダヒダが出ている物もいてアサリやハマグリより汚く見えます。

そして最大の理由は砂を吐きにくいという事です。アサリ同様に砂抜きをして料理をした場合に砂だらけで食べれなかったり、アサリと一緒に料理した時に酒蒸しやみそ汁に砂が混じって残念なことになったりと、良くない思いをしてシオフキガイは食べない方が良いと思ってしまったりと、良くないイメージが付いてしまっているようです。

2.シオフキガイの採り方

潮干狩りシーズン中に潮干狩り場で採る場合、アサリとほぼ同じ場所、深さで採ることが出来ます。
あまり採る人がいないので減らないのか、いるところにはアサリより沢山います。

①掘る深さ

二枚貝は水管という器官を砂の中から海底の表面に出して海水を吸い込んだり吐き出したりして呼吸、食事をしています。なので水管の長さ以上に深い場所には基本的には潜っていません。(潮が引いて水が無くなった場合はもう少し深く潜ることはあります。)シオフキガイはアサリ同様に余り水管は長くないので水のある所では、10㎝も掘れば十分です。

②貝の穴を探す。

水管を出している(出していた)穴が貝の穴(貝の目)と呼ばれている穴です。潮が引いている途中などまだ静かな環境の時は直接貝の水管を見る事が出来る時がありますが、通常は水管を引っ込めた後の穴です。水管を引っ込めた後の穴の場合は必ずそこに貝がいます。
砂底に穴を開けている生き物は貝以外にも沢山いますので、慣れないうちは分かりにくいですが、色々な穴を掘っていると、それが貝なのかそうでないのかは何となくわかる様になってきます。海底が見える時は意識して見ましょう!

③カケアガリ等の地形の変化がある所を探す。

海底が盛り上がっていたり、へこんだり等の海底に変化のある所をカケアガリと言います。遠浅の海岸ですと、そこまでハッキリとした地形は現れにくいですが、ここの谷側を掘ってみましょう!この様な地形の変化がある所にはエサとなるプランクトンが溜まりやすく貝や魚にとって重要な場所と言われていますので、この様な場所には貝が多くいる場合が多いです。(全く何もいない場所もあります。きっと条件が揃うには見た目だけでなく潮の流れや向き等様々な条件があって、そこに住んでいる生物達と長年のデータを持っている漁師さん達しか分からないのだと思います)

④装備

掘るための装備は基本、熊手と暑さ、寒さ、ケガの危険から身を守る装備が必要です。
詳しくは過去記事を参考にして頂けると幸いです。

 

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⑤人が掘った後の場所を探す。

①~③は二枚貝を採るうえで大切なコツですが、これは人気のない貝を探す場合のテクニック?です。
他の人達が掘り返して拾わなかった貝やポイした貝を拾う採り方です。拾うと言うと聞こえが悪いですが、大きな貝だけ選んで拾うことができます。
時にはアサリと選別して山積みになっている事もあります。
シオフキガイに興味がなかった時にあなたもやっていたと思います(笑)
労をせず手に入れることが出来ますので、周りを観察してみると面白いと思います。

ポイ捨てや置き去りにされた貝たち

私の場合、シオフキガイが欲しい場合でも、先ず干潮までは波打ち際でメインターゲットのアサリまたはハマグリを探し、その時に出てきたシオフキガイは別の入れ物に入れてキープ。潮が満ちてくる前に他の人達が掘り返した場所で砂を掘らずにして落ちているシオフキガイを拾いながら浜まで戻る。
これがいつものパターンです。(メインターゲットが超大漁の場合はシオフキガイは採らない場合もあります。少しシオフキガイを見下した様な書き方をしてしまいましたが、採れる場所では凄く採れるので優先順位をつけているだけです。)


あと、シオフキガイと入れ物を分ける事には理由があります。
通常の潮干狩り場ではアサリとハマグリの採取量に2kgまで等の制限がある場合が殆どであるのに対して、シオフキガイは採取量に含まなくて良い場合が多いからです。混ざってしまっていると重量を計ったときに制限を超えてしまった時に追加料金を支払わなければならないし、その場でシオフキガイを分けるのも大変です。
ただし、潮干狩り場によってルールが違いますので、事前に確認をして下さい。

また、シオフキガイは無料で持ち帰れる潮干狩り場でもシオフキガイ等の無料の貝のみを採るために無料で入場することは出来ない
ので注意してください。

3.シオフキガイの見分け方

良く採れる大きさの物が立派なサイズのアサリと同じくらいのため、良くアサリと間違えて持ち帰る場合が多いようです。
また、アサリとは区別できてもハマグリと間違えて持ち帰る場合も良くあるので違いをみて見ましょう!

潮干狩りで良く見かける貝4種類をほぼ同じ大きさで並べてみました。

4種類の比較

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①アサリ ②シオフキガイ ③バカガイ ④ハマグリ

①アサリ 表面はザラザラしていて色や模様も色々ある。

②シオフキガイ 表面はややツルツルしていて丸みがある。

③バカガイ 表面はややツルツルで殻が薄い。

④ハマグリ 表面はツルツルしていて殻は厚く、しっかりしていて色や模様も色々ある。

簡単に1文にまとめると

「ザラザラしていて、しっかりとしている貝がアサリ。丸みがあり、ややツルツルしている貝がシオフキガイ。貝の縁が薄くてしっかりと口を閉じていない貝がバカガイ。ツルツルで貝の口がしっかりと閉じている貝がハマグリ」

色や模様ではなく形と表面の特徴で覚えると良いと思います。

バカガイとハマグリの比較はこちらの記事を参考にして頂けたらと思います。

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そして、この中でシオフキガイに1番似ている貝はバカガイです。

さらにシオフキガイとバカガイを比べて見ましょう!

シオフキガイとバカガイの比較

バカガイとは近い種のため殻の薄さなどがよく似ていますので並べて比較してみます。

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シオフキガイとバカガイの比較

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シオフキガイとバカガイの比較(開口部)

4.持ち帰り方

 表面に付着している砂や泥、小石等の異物を網やザルを使用して海水で良く洗います。

この時、注意したいことはアサリやハマグリ等と違い殻が弱いので、あまり激しくガシャガシャと洗うと割れてしまいますが、表面に汚れが付いている場合が特に多い貝なので優しく丁寧に洗ってください。

運搬方法については過去記事のカガミガイ編3.持ち帰り方~運搬を参照下さい。
また、海や貝の表面に付着していると言われている食中毒原因菌、腸炎ビブリオについても私の考え方を書いています。

 

www.sp-hiross.com

 

5.家に着いたら

直ぐに持ち帰った海水で砂出しを開始します。

海水を入れて持ち帰った場合は、水の状態を見てなるべく早く交換して砂出しを開始します。

砂出し

シオフキガイは砂を吐かないから砂出しの必要は無いと言っている方もいますが、そんなことはありません。少しでも吐かせた方が後の作業が大変楽になりますので必ず砂出しは行ってください。

容器の底にすのこやアミ等を敷いて吐いた砂を再び吸い込まない様にその上に貝を並べてから海水を入れて砂出しを開始します。

夏場等は水温も注意する必要があります。理想は20度位です。冬や春のまだ寒い時期ならあまり気にする必要はありませんが、夏場なら少し保冷剤等で冷やすと安心です。

ただ、冷やしすぎると活動が鈍くなり砂出しが遅くなりますので注意してください。

後は容器にフタを被せる等して暗くして静かにしていると貝が出てきて砂出しを始めます。

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シオフキガイの砂出し

シオフキガイはアサリやハマグリと違い最後まで砂を吐かせることは非常に難しいです。ですので半日または一晩経ったら砂出しは終了させます。

6.洗浄処理

海水から引き上げ、ザルとボウル等を使用して水道水でしっかりと洗います。

シオフキガイから出ているヒダのような粘液のようなものが出ていますが、この部分に砂がまとわり着いている場合が多いです。

この部分は洗ってもなかなか取れませんが、後の工程で取れるのでこの段階では余り気にしなくて良いです。

ボールで洗っていても砂はなかなかなくなりませんが、表面の汚れがある程度落ちて水の濁りが少なくなってきたら終了します。

ボールに残った砂。この段階で砂は完全にはなくなりません。

この後直ぐに料理する分以外は冷蔵庫で保管します。強い貝ですので砂出し後の状態の良く元気な貝でしたら3~5日間は生かしておく事が出来ます。

海水から引き上げる時にキュっと素早く殻をしっかりと閉じる様であれば元気な証拠です。逆にベロを出したまま貝を閉じなかったり、閉じ方がゆっくりの場合は生きていても弱っていますのでなるべく早く食べる必要があります。

7.下ごしらえ

砂を吐ききらないシオフキガイはアサリやハマグリの様にそのまま料理をすることが出来ませんので下茹でをして貝を開いて身を取り出します。ゆで汁は凄く良い出汁が出ていますので捨てない様にして下さい。

 

①シオフキガイを茹でて身を取り出し、むき身にする。

茹で上がったらザル等に移す。ゆで汁は利用できるので捨てない。
(写真のゆで汁は2回分なので少し濃いです。)

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茹で上がり

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シオフキガイのむき身

②ボウルに水を張ってザルを使用してしっかりと洗う。

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③砂が出なくなるまで何度も洗う。

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ボウルに残った砂

砂が出なくなったかを確認するためにもボウルを使用してください。

この洗い方を左回しにかき混ぜて洗うと砂が良く落ちると言われていますが、何となくそんな気もしますが良く分かりません。渦巻に方向がある様に科学的に根拠があるのかも知れませんが、どなたかこの件について詳しい方が見えたら教えていただけると嬉しいです。

砂が完全になくなるまで、しっかりと洗います。

(生きている時の砂出し状態でも変わってきますが、身が崩れてしまうくらい洗ってもなかなか砂が無くならないこともありますが、砂を残すと後も料理が台無しになることもあるので、頑張りましょう!)

数個食べて確認するとより安心です。

 

④ひもの様な物も残っていれば取り除く

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このひもの様な部分には砂が着いている事が多いので残ってたら取り除くと安心です。

 

⑤小さなカニ

シオフキガイの中には小さなカニが入ってることが多いです。

カクレガニの仲間でその名もピンノ

カニは洗っている途中で出てきます。カニが出てくるうちはまだ砂も残っていると思われます。また、このカニは食べてしまっても全く問題ありませんが、甲殻類アレルギーのある方への影響はわかりませんので除去するに越したことはありません。
ただ、このカニは二枚貝に寄生していてシオフキガイが特別ではありません。アサリにもハマグリにも入っています。逆にシオフキガイの砂をとるためにむき身にして洗ったために気が付いたと考える事が正しいようですので甲殻類アレルギーの方以外はあまり気にしない様にしましょう!

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カクレガニの仲間 ピンノ

何度か繰り返し砂が出なくなったら完了です!

お疲れ様でした!

ようやくシオフキガイを食べる準備が出来ました。

アサリ同様なしっかりとした旨味がある貝です。

8.料理

このまましょうが醬油でいただいても凄く美味しいですし、しかりとした旨味のある貝ですので、どんな料理も美味しく出来ます。茹で汁を使って味噌汁や煮付も最高です。

(ゆで汁の底には砂が残っていますので注意して下さい)

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しょうが醬油あえ

ゆで汁を加えたバーター炒め

9.最後に

いかがでしたでしょうか?
下ごしらえが大変ですが、味はアサリ同様にとても美味しい貝です。
もし、シオフキガイがアサリの様に砂出しが簡単な貝だったら、採りつくされて激減してしまうと私は思います。

この様にすれば美味しく食べる事が出来る貝ですが残念な事に、潮が満ちた時に海水の戻らない場所や駐車場に捨てられている事がしばしば見られます。食べる事が出来る美味しい貝ということをみんなに知ってもらえて無駄に捨てられてしまうシオフキガイが少しでも減ったらと願っています。


今まで食べる事の出来ない貝だと思って採らなかった方も一度お試しください。

 

潮干狩り場とは言え、自然相手の水場のレジャーです。

安全には十分注意して楽しんでください!

 

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

こちらも是非参考にして下さい。

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