冬の陸っぱりで釣れる高級魚クロムツ。お手軽ライトタックルで狙ってみよう!
みなさんこんにちは!
先日クロムツを釣りに行ってきました。
ところでクロムツってご存じでしょうか?
あまり馴染みのない魚ではないでしょうか?
今回はそんなクロムツについて書いていきたいと思います。
クロムツについて
ムツとクロムツは同じスズキ目スズキ亜目ムツ科ムツ属に属する中深層遊泳性深海魚。
中深層遊泳性深海魚とは中深層中深層(水深200~1,000m)に生息している深海魚のことでムツとクロムツは水深200~700m位の岩礁域に生息している。
幼魚期は水深10m前後の沿岸域の岩礁帯に生息し、30cm程に成長した段階で深海へと生息域を移す。
成魚の大きさは
ムツ 50~60cm
クロムツ 60~80cm
ややクロムツの方が大きくなると言われている。
食性も2種ともに肉食性で、小魚・頭足類・甲殻類など小動物を幅広く捕食。
市場価値はとても高く、高級魚として扱われています。
この2種は外観もとても良く似ていて、少し前までは同種とされていたほどです。
違いとして上顎の歯の数(ムツ13-15・クロムツ9-12)、鱗数(側線鱗数ムツ50-56・クロムツ60-68)とされていますが、ほとんど見分けがつきません。
市場では区別して売られていますが、生物学上正しく分類されているかは微妙なんだそうです。
ただ、生息域である程度、分類できます。
ムツの生息域
北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海
クロムツの生息域
岩手県、宮城県、福島県、房総半島南東岸、相模湾、伊豆大島、伊豆半島東岸
ムツが北海道から九州まで広く分布しているのに対してクロムツは太平洋側の北寄りの狭い範囲での生息です。
このことから、私がよく釣りに行く三重県ではムツの可能性が高そうですが、地元方や漁師さんもクロムツと呼んでいますので、この記事ではクロムツとして扱います。
上記でもふれましたが、幼魚期には水深10m前後の浅場に生息していますので、この時期が陸っぱりで釣ることが出来る期間です。
今回はこの幼魚期のクロムツの釣り方についてお伝えします。
ポイント
幼魚期の生息場所は10mくらいの浅瀬に生息していますので
磯場、テトラ帯、ゴロタ石のある所、漁港内等、比較的身近な釣り場で釣ることが出来ます。
外道としてのクロムツ
クロムツはアジング、メバリングをしている人たちにとても嫌われています。
食用的価値が高いことを知らないだけではなく、食用に出来ないと思われている事も多い上に、目は大きく、口には鋭い歯が沢山生えていて見た目が気持ち悪い事も原因の様です。
そして、嫌われる一番多い理由は鋭い歯でラインを切ってしまうからです。
特にアジングで使用している極細ラインなど、この鋭い歯に少し触っただけでも簡単に切れてしまいます。
タックル
今回はルアーで狙います。
クロムツはルアーへの反応が良くとても楽しいターゲットです。
タックルは図の様に組みます。
竿
クロムツ釣り専用のルアー竿などは多分ないと思います。
アジングやメバリングをやっている方はタックルはそのままで大丈夫です。
というか、もう既に外道として釣り上げた事があるかも知れませんね。
これらの釣りをしたことがない方は参考にして頂き、バスロッドでもトラウトロッドでも近いものがあれば、それらを使用して頂ければ大丈夫です。
竿は1.5g~5g程度のルアーをキャストできるものでできるだけ柔らかい竿を準備してください。ロッドのアクションはウルトラライト~ライトアクション(UL、Lといった表記)のもが良いです。
もし、新たに購入するならばメバリング用の竿が使いやすく他へも流用がききます。
ライン
扱うルアーも軽く、ターゲットも大きくないので、PEラインの0.4~0.6号位を使用します。
PEラインは強度があるためラインを細くできるので、軽いルアーでも飛距離が出せるのでライトな釣りには最適ですが、根ズレや魚の歯などの鋭利な物に触れると簡単に切れてしまう事や直接ルアーやスナップに結ぶと結束強度が低下する等のデメリットがあるため、フロロカーボンラインやナイロンライン等のショックリーダー(8lb程度)を使用する必要が有ります。
また、PEラインは比重が低く水に浮くため、タナが深いポイントで底を取りたい場合などはルアーを底まで沈める事が難しくなります。
良い点が多いく優れたPEラインですが、上記の様なデメリットも有りますので、PEラインの扱いに慣れていない方やショックリーダーを使用する事に抵抗がある方はフロロカーボンラインやナイロンライン(3lb〜8lb)でも大丈夫です。
ただ、3lb〜4lbを使用する場合はクロムツの歯でラインが切れる事を防止するために8lb程度のショックリーダーを着ける事をお勧めします。
(クロムツの歯によるラインブレイクはルアーのロストも辛いですが、口にルアーが残
ったクロムツへのダメージも大きいです。)
この場合のショックリーダーの結束はPEラインで求められる摩擦系ノットではなく簡単なダブルエイトノットという結び方がありますので、ラインとラインの結び方を知らない方はこの機会に習得して下さい。
(動画の中でハリスと表現されている糸が今回使用するリーダーにあたります。だいたい30~50cmくらい取ります。)
リール
スピニングリールの1000番程度
細いラインを使用する場合はドラグ性能がある程度良いリールが安心です。
1000番程度の小さめのリールは海水対応になっていない場合が多く海水に対応していない物は錆びてしまいますので注意してください。
下記リンクで紹介するリールはエントリーモデルで安価ですが、海水でも問題なく使用できます。
ルアー
ソフトルーアー(ワーム)
ジグ単(ジグヘッド+ワーム)を使用する事が多いです。
ジグヘッドの重さは0.5~4g位を準備すれば良いです。
ワームはアジング用の2~4インチくらいのサイズで数種類揃えておきましょう。
クロムツは歯が鋭く、ワームが痛む事が多いので数は多めに準備した方が良いです。
メタルジグ
5gをメインに3g〜10g位を使用します。
飛距離も出やすく、クロムツの活性が高い時にはワームよりテンポの良い釣りが出来ます。
プラグ
メインはジグ単やメタルジグですが、クロムツが水面近くでボイルしている(表層で小魚などのエサを追いかけてバシャバシャしている時)時などはプラグでも釣れますので5cm程度の小型フローティングタイプ(水に浮き、引くと沈みながら泳ぐタイプのルアー)を準備しておくと面白いです。
釣り方
アジングの様な繊細な釣りは必要なく、アタリも大きく出る事が多いので、クロムツさえいれば釣ることは比較的簡単です。(もちろん小さなアタリを逃さずに掛ける事が出来た方が断然釣果は上がります)
先ずはワームで表層~中層付近までをレンジ(深さ)を少しずつ変えながら探ります。
アタリがあった場合はしっかりとアワセを入れて下さい。
クロムツは群れでいる事も多いので、1匹釣れたらその深さで何匹も釣れる場合が多いです。
中層までで反応が無い様でしたら、ルアーをボトム(底)まで落として数回シェイクし、少し巻き上げてからまたボトムまで落としシェイクを繰り返してみます。シェイク中にアタリが出る事が多いです。
ここで注意してほしいことは、海底に根や藻が多い釣り場の場合、ボトムからルアーをズル引きすると根掛りしてしまいますので、注意してください。(ただ、根が多い場所ほどクロムツの魚影が濃い場合が多いです)
鋭い歯には注意
クロムツには鋭い歯が生えています。
見た目通り大変鋭いので指などが触れると怪我をします。
針を外す時にはクロムツが暴れないようにタオルなどを使用してしっかりと掴むか、フィッシュグリップを使用してください。ルアーを外す時にも歯に触れない様、心配な方はプライヤー等を使用した方が良いと思います。
食べ方
ムツ、クロムツは高級魚である成魚が美味しいことは言うまでありませんが、陸っぱりで釣る幼魚もとても美味しいです。
やや大き目なものは刺身がお勧めでモチモチとした食感と旨味のある身は最高です!
他にも煮つけ、塩焼き、フライ等何でも美味しいです。
最後に
いかがでしたでしょうか?
クロムツは釣って楽しく食べて美味しい魚です。
アジングやメバリングの外道としてでは無くメインターゲットとして狙ってみてはいかがでしょうか!
きっとクロムツの見方が変わってくると思います。
陸っぱりで釣れるターゲットが減ってくる冬に釣れる貴重なターゲットでもありますのでお勧めです。
テトラ帯等は足場も悪く危険ですので、ライフジャケット等の安全装備を着用して安全にクロムツ釣りを楽しんでみて下さい。
もしタイミング悪くクロムツに出会えなかった時には、テトラの隙間にいる冬でも元気な根魚と遊ぶのも楽しいですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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