海釣り、潮干狩りシーズンインに備えて潮の満ち引きについて、おさらいしよう!満潮、干潮とは?
みなさん、こんにちは!
今回は、海のレジャーをする人達には重要な潮の満ち引きについておさらいをしたいと思います。
普段から海釣りをされている方達は潮の影響の大切さをよく知っていて計画を立てる時などの重要な判断材料になっていますが、海に馴染みのない方達ではあまり気にせずに出かけてしまって、以前良く釣れた釣り場がいつもと違った。潮干狩りに出かけたけどやっていなかった。等の残念な思いをしたことなどを、たまに耳にします。
これから暖かくなり、釣りや潮干狩りに出かける方達も多くなると思います。
あまり潮の事を意識されていない方や、普段から潮見表を見て潮を意識している方達もおさらいの意味を込めて読んで頂けたらと思います。
潮の満ち引き(潮汐)とは
潮汐(ちょうせき)とは主として月と太陽の引力によって起きる、海面の昇降現象のことで潮の干満のことです。
潮汐のしくみ
海面の水位(潮位)は約半日の周期でゆっくりと上下に変化しています。 この現象を「潮汐」といいます。
潮汐が起こる主な原因は、月が地球に及ぼす引力と、地球が月と地球の共通の重心の周りを回転することで生じる遠心力を合わせた潮を動かす力が働く事により起こります。これを起潮力(潮汐力)と言います。地球と太陽との間でも、同じ理由でやや小さい起潮力が生じます。
満潮・干潮のしくみ
起潮力は地球を引き伸ばすように働くと、潮位の高いところと低いところができます。 潮位が上がりきった状態が「満潮」、反対に下がりきった状態が「干潮」です。
下図の様に地球は1日1回転自転しているので満潮・干潮は1日2回ずつ起こります。
潮干狩り等はこの干潮時に行います。
潮の種類
潮の種類は大潮、中潮、小潮、長潮、若潮の5種類があります。
それぞれの特徴は次の通りです。
大潮
満潮時と干潮時の潮位の差が最も大きくなる潮回りです。
干満の差が大きくなるということは潮の動きも大きく、釣りには良いとされています。
潮干狩りも大潮の最も潮が引く干潮時が1番良いです。
磯遊び等も普段水中に沈んでいる岩場でも遊べる様になるので、色々な生き物を採取することが出来る潮回りも大潮です。
ただ、良いことばかりではなく、潮の動きが大きいと言うことは釣り場によっては潮の流れが速すぎて釣りにならなかったり、遠浅の釣り場では干潮時には釣りができません。また、海水浴やサーフィン等のマリンスポーツでも潮の流れが速いことで、沖へ流されてしまう危険が高まります。
中潮
大潮と小潮の間の潮回りで釣りもしやすい潮回りです。
潮干狩りもそこそこ楽しめます。
小潮
潮の干満差が小さくあまり釣りには向かないと言われています。干潮時にもあまり潮が引かないので潮干狩りもできません。
ただ、海水浴等には流れも少なく良いと思います。
長潮
小潮の末期で干満差が1番少ない潮回りです。
若潮
小潮末期の「長潮」を境に大潮に向かって、潮の干満差が次第に大きくなってきます。このように潮が再び大きくなる状態を「潮が若返る」と言い、長潮の翌日を「若潮」と言います。
干満差の大きい大潮と少ない小潮との比較で大潮・小潮のしくみが下図です。
この5種類の潮回りは
大潮(4日間) → 中潮(4日間) → 小潮(3日間) → 長潮(1日間) →
若潮(1日間) → 中潮(2日間) → 大潮へ戻り15日でひと回りします。
※注 ここでは分かりやすくするために、潮の単位で大潮4日から説明しましたが、正しく月齢で説明すると、上記最初の大潮の3日目が新月(月齢0)で次の大潮の3日目が満月(月齢15)です。
月齢は29.5日(新月~次の新月)でひと回りです。(月齢と旧暦については小難しいので割愛します)
潮の移り変わり 大潮・小潮のしくみ
大潮は地球に対して月と太陽が直線状に重なる時月と太陽による起潮力の方向が重なるため、1日の満潮と干潮の潮位差が大きくなります。
小潮は地球に対して月と太陽が直角方向にずれている時は、起潮力の方向も直角にずれていて互いに起潮力を打ち消すため、1日の満潮と干潮の潮位差が小さくなります。
潮位の季節変化
潮位は季節により変化します。
水温による海水体積の変化や、大気圧による海面への圧力などにより、夏~秋は潮位が高く、冬~春は潮位が低くなりやすいと言われています。
また、1日に2回ある干潮を例にすると、冬は「夜の干潮時」に大きく潮が引き、春は「昼の干潮時」に大きく潮が引きます。
アサリ採取の達人が真冬の大潮の夜中干潮時に潮干狩りをすることはこのことからです。
春が潮干狩りのベストシーズンと言われているのは潮位が低い期間の大きく潮が引く時間帯が昼になることで、春の大潮は、もっとも潮干狩りに適した時期と言えます。
夏~秋は潮が大きく引く時間帯はお昼ですが、潮位が高いため春ほど大きく潮が引きません。
1月と5月のタイドグラフと潮高表を比べてあります。
1月は2回ある干潮で0時の干潮は12時の干潮より大きく潮が引いている
5月は2回ある干潮で12時の干潮は0時の干潮より大きく潮が引いている
「潮汐推算」(海上保安庁)を加工して作成
なぜ日本海側は干満の差が少ないのか?
私の住んでいる地域は日本海へも太平洋へも同じくらいの距離で出かけることが出来ます。
釣りを始めたばかりの頃、日本海へ連れて行ってくれた方に「日本海は潮の満ち引きがない」と教わりました。
実際には間違っていたのですが、気にならないくらい干満の差が少ないということの間違った解釈だったのだと思います。
では、なぜ日本海側と太平洋側とは潮の引き方が違うのでしょうか?
干満差は日本海側では大きいときで40cmくらい。それに対して太平洋側では2メートルくらい。
月の引力と月と地球の共通の重心の周りを回転することで生じる遠心力により潮の満ち引きが発生しますが、日本列島を挟んでいるだけで、月との位置関係等はほとんど同じ。それなのにこの差はなぜでしょうか?
答えは日本海が陸地に囲まれた小さな海であるところにありました。
日本海は宗谷海峡、津軽海峡、関門海峡、対馬海峡を通じて太平洋に繋がっています。太平洋の海水が大きく移動しても、日本海ではこれらの海峡からしか海水が移動しないので、結果として日本海は海水量の変化が少ないので干満(水位)の差も少なくなります。
知っている人は少ないですが、この様なことから日本海側と太平洋側とでは干満差の違いがあります。
最後に
いかがでしたでしょうか?
釣具屋さんなどでもらえる潮見表を見る際の参考にして頂き
釣りや潮干狩りをはじめ、海でのレジャーに役立ててくれれば幸いです。
こちらも参考になる情報がたくさんあります。
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最後までお読みいただきありがとうございました。