ダツの骨はなぜ青い?ダツの特徴やサヨリ、サンマとの見分け方から釣り方まで紹介します
先日、ビーチコーミングを趣味にしている知人が
「砂浜で青い骨を見つけたよ!」
と嬉しそうに写真を見せてくれました。
「ダツっていう魚の骨だよ」と教えると
「こんな綺麗な骨の魚がいるんだね。珍しいの?」
と興味津々だったので
「よく釣れるから、今度釣れたら骨あげるね!」
なんて話をしていた数日後、ダツが早速釣れたので改めてダツを見つめなおしてみました。
ダツとは
ダツ(駄津)ダツ目ダツ科ダツ属 学名(Strongylura anastomella)
生息域
日本には4属8種が分布し国内生息地は、北海道から九州までの日本海側、太平洋沿岸、東シナ海、瀬戸内海沿岸の主に表層部で生息している。
形態
細長い体を持ち両顎が前方に長くとがっているのが特徴で、顎には鋭い歯も生えている。
背中側の体色は青く、体側から腹面は光沢を帯びた銀白色をしている。ヒレは小さく、胸ビレ以外のヒレは体の後半部に集中する。骨は青色や緑色をしいる。
体長は大きなもので1mを超える個体もいます。
生態、習性
沿岸域の表層に群れをなして生活し、高速で泳ぎ回りおもに小魚を捕食しているがエビやカニ等の甲殻類、ゴカイ類なども捕食することがある。
捕食の際は小魚の鱗で反射した光に敏感に反応し、突進する性質がある。この性質がゆえに暗夜にダツが生息する海域をライトで照らすと、ダツが激しく突進してきてヒトの体に突き刺さることがあり夜間のライトを照らした潜水は特に注意が必要と言われている。また実際にダツが人体に刺さって死傷する事故も発生している。
特徴
特徴はやはり長い顎と鋭い歯、そして長い体です。
メジャーなサンマやサヨリとは同じダツ目の仲間でよく似ていますが一度特徴を掴めば見分けることが出来るようになります。
サンマ、サヨリとの外観の違い
①体長
サンマ、サヨリが最大で40cm程であることに対してダツは1mを超える。
②口
ダツ、サンマ、サヨリ共に全て下あごが上あごより長いが、サヨリの下あごは特に細くて長い。
サンマ、サヨリには歯が無いがダツには鋭い歯が生えている。
③体形
背側は暗青色~青緑色で腹側は白銀色で長い体形をしている。頭が同じ大きさなら
サンマ<サヨリ<ダツの順に体は長い。
全体的な特徴を分かりやすく簡単にまとめると
背中が青っぽく腹側が白銀色で長い体形をしていて
下あごが細く長い魚がサヨリ。ほとんど同じならサンマ。歯が生えていたらダツ
体が細長くて歯が生えていても白銀に輝き体が平ぺったければタチウオ
これだけ知っていれば見分けることは簡単です。
ダツとタチウオも全体的なイメージは似ていますので、タチウオの全身を見たことが無い人はダツをタチウオだと勘違いする人は多いです。
私が堤防など人の多い場所で釣り上げた時、「タチウオですね」と声を掛けられる事が多いです。
釣りの対象魚としてのダツ
ダツを本命として狙っている人はほとんどいません。
ルアーでのシーバス釣りやショアジギングの外道として良く釣れますので、釣り上げた経験がある釣り人は多いと思います。
ですが、ほとんどの人は持ち帰らずリリースしています。
そうです、市場の価値も低くいため市場へ出回ることも少なく、ダツは食べることが出来ないと思っている人や、美味しくないと思っている人が多いためです。
ダツの釣り方
①ルアー釣り
生態の説明にもあったとおり、かなり獰猛なフイッシュイーターで、光るものに対して果敢にアタックしてくるので、ルアーで釣ることが出来ます。
活発に活動しているのが表層面ですので、水面近くを引くことが出来るミノーが釣りやすいですが、メタルジグ等でも釣れます。
ダツは口先が細くて硬い上に、歯が沢山生えていますので針掛かりは良くないです。
小さめのルアーが釣りやすいと思います。
ルアーにアタックするけどなかなか針掛かりしない時に私がやったことが有る釣法を紹介します。
メタルジグの下にジグサビキを付ける(通常の逆で邪道です)とメタルジグに針掛かりしなかった時にジグサビキの針がダツの背中や腹に刺さってスレ掛かりで釣れることが有ります。
ただ、デメリットとしてシャクリやフォールを上手くやらないと直ぐにラインが絡みます。
アタリはあるけどどうしても針掛かりしない時にでもやってみて下さい。
②エサ釣り
私は一度だけダツのエサ釣りをやったことがありますが、その時の仕掛けは太刀魚の浮き釣り仕掛けで、タナは50cm~1m位で現地で釣った豆アジをエサに釣りました。エサ屋さんで購入することが出来るキビナゴでも良いと思います。
自分で浮き釣り仕掛けを組める人は針のみワイヤーハリス付きの針を使用した方が良いです。
エサ釣りは待ちの釣りになりますので、ダツがいないポイントや回遊してこないポイントでは釣れません。(当たり前ですが)
ただ、本命で狙っている人がほとんどいないので、エサ釣りの情報はなかなか入手出来ないと思います。
その時はルアー釣り情報でフグやエイ等、外道の釣果を投稿している人の中にダツの投稿をしている人が割と多くいますのでそちらの情報を参考にするか、釣り具屋で直接聞いても良いと思います。
堤防や突堤といった感じの海面を上から見渡せる場所の場合、上から水面を泳いでいるダツを見ることが出来る時があります。
そんな時は、ルアー釣り、エサ釣り共にチャンスです。
ダツのいるところにルアーやエサを投げ込めば釣れる確率大幅アップです。
釣り上げたダツの取り扱い
ダツを掴む時には鋭い歯に注意してください。
歯以外には危険なところはありませんが、掴んだ時にくねくねと暴れるのでその際に顎に触れると鋭い歯で怪我をしますので、タオル等で滑らないように胸ビレ辺りを強く掴むか、フィッシュグリップを使用して下さい。
針を外す時も非常に危ないので、フィッシングプライヤーやラジオペンチ等を使用して針を外してください。
食材としてのダツ
ダツは食材としての評価は低く、市場への流通量も少ないです。
インターネット上でも美味しくない、と言った書き込みも多いです。
私は60cmを超えるダツは必ず持ち帰って食べます。
皆が言うほど不味くはないです。
いえ、美味しいです。
ダツは刺身が美味しいと思います。
塩焼きやフライもさっぱりとしてクセもなくとても食べやすい魚だと思います。
下ごしらえ
①ウロコをとる。
ウロコは取りやすい方だと思いますが、魚が長いので一般家庭のシンクでは少しやりにくいですが、しっかりと取りましょう!
②頭を落として内臓を取ります。
魚が長すぎて大変な場合は何等分かに切り分けても良いです。
③料理に合わせて捌く
刺身やフライにする場合は三枚におろします。
三枚に下ろしたら腹骨をすきます。
中骨(血合骨)を取ります。中骨は骨抜きを使用して1本ずつ手で確かめながら抜くか包丁で中骨部分を切り離すかして処理します。
骨抜きで処理した方が大きく身がとれますが時間が掛かります。
お好みでどうぞ。
塩焼きの場合は三枚に下ろさずお好みのサイズに切り分けます。
④皮を引く
刺身にする場合は皮を引きます。
フライの場合、皮は着けたままでも問題ありません。
以上で完了です。
刺身の場合、ダツはあまりクセがありませんので身は厚めに切っても美味しいですよ。
今回のダツは骨を取る意味も含めて塩焼きにしました。
青い骨
さて、ダツを捌く過程で本題のダツの青い骨が見えてきます。
実物を見ると綺麗なエメラルドグリーン色した骨に感動? すると思います。
中にはこの骨の色が食欲をなくすなんて人もいるようです。
写真は塩焼き後の写真です。
熱をかけても色は残ります。
私は全く気になりませんが、ここまで鮮やかですと通常では考えられない骨の色に違和感を感じる人は多いかもしれませんね。
どうして骨の色が青いのか?
これは胆汁色素の一種である緑色の「ビリベルジン」がカルシウム塩をつくり、骨に沈着することにより骨が青くなるそうです。
魚にはこの様に骨や身が青くなるものも多いそうです。
身近な魚ではサンマやマグロも稀に青くなっていることが有るそうです。
アナハゼという魚もよく釣りますが、初めて釣った時にはあまりの綺麗さに毒魚かと思ったほど口の中も身も骨も綺麗なエメラルドグリーンでした。
魚体がカラフルな魚は多いですが、口の中が青いなんて不思議でした。
でもとても美味しい魚です。
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今回は塩焼きで頂きましたが、とても美味しかったです。
これがダツの骨です。
骨はこんな感じです。
青く透き通った骨はまるで作り物の様ですね。
あらためて見ると本当に綺麗です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
市場からも釣り人からもあまり好かれていないダツ。
美味しくないという噂や悪いイメージが先行しているダツ。
今回はそんなダツについて紹介しました。
私は釣りの対象魚としても面白いと思いますし、食べても美味しい魚だと思います。
興味を持たれた方は一度食されてみてはいかがでしょうか?
青い骨は本当に綺麗ですよ!
ただ、鋭い歯には十分注意してください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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